Saipan
(アメリカ属州北マリアナ連邦共和国)

 1998年、冬、ダイビングのレスキュー免許を取得するためにサイパンへ向かいました。始めての海外一人旅行で、しかもレスキュー試験が待っていると思うと少し緊張しました。
その頃、ダイビング旅行がしたいと思い始めていたのですが、まだ目的地もダイビングポイントの情報も解りませんでした。本屋でぼんやりと眺めていた「地球の歩き方」の表紙がジャイアントエントリーだったので、そこで即、サイパン行きを決めました。
 平均気温27度、年間を通して温度差がわずか1〜2度(ギネス記録)という島。
 年越しダイブがしたかったのですが、急なチケット予約だったため12月27日から3日間の滞在となりました。今思うと、ファンダイビングをしながらのレスキュー講習にたった3日というのはあまりにも短く、講座内容的にも不十分であったような気がします。

中央が私 グロットにて

ついた夜から早速 街を探検に出かけてみました。短い滞在なので夜もホテルにいてはもったいない・・良いお店がないか探し歩いていたら、犬がいっぱいいることに気づきました。人家にも、通りにも。綺麗な教会を見つけたので行ってみると、吠えられたり、走ってこられたりして、怪しい人影の心配よりも犬が怖かったです。 ホテルのクラークには「噛まれて病院に行っている人がいるから犬には気を付けて」と言われました。
彼女にはホテルの近くのショットバーなど地元の美味しい穴場を教えて貰いました。

ところでダイビングの試験なのですが、ファンダイブをしている人をよそ目に私は教本とPADIのビデオと睨めっこ。「せっかくサイパンに来たのに!」と思いながらも必死に勉強しました。
最初の講習のビーチは飛行場の近くを通って到着したObyanから。↓

ObyanBeach サイパンについて翌日の29日はレスキュー訓練場としてこのビーチが選ばれました。午前中に机上での勉強をした後での実技講習でした。講習中海では足下に沢山のカエルウオが顔を覗かせてました。場所は車で人の少ない所まで行ったのですが、翌日のファンはかなり近くからエントリー。が印象的。珊瑚の畑がちらばっているようでみられるのはクロスズメダイと一緒にオレンジフィンアネモネフィッシュダスキーアネモネフィッシュ。それからこのときが始めてのガーデンイール、後はメガネクロハギなど。
LauLauBeach ゴルフ場が近くに出来上がってからは透明度が落ちたとイントラのYoshiさんの話。始めてのサイパンでのファン。岩の合間を抜けて広く青い空間へ泳いで行きました。かなりのリップカレントでこれじゃカメラなくしてもおかしくないなと思いながら進みました。ロープづたいにエキジットする際、海底食料パイプを見ることが出来ました。浅場にはシュノーケラーが沢山。平均10mの浅場のダイブ。まだ29本目。この回数でレスキュー試験なんてすごいと言われましたが、経験少ないダイバーが果たして人をレスキュー出来るのか、未熟だとしかいいようがないような気もします。
Grott 12月30日はObyan Beach後、待望のグロットへ。波の強い中、岩上からジャイアントでエントリー。波にもまれつつ、数人のダイバーを岩上に案内するイントラの力強さを見ていると、イントラ、ひいてはレスキューダイバーはこうしっかりしてなくては・・と感じずにいられませんでした。私は、右の穴から外洋へ抜けるときにウコンハネガイを始めてみました。このとき始めてカメを見ました。Yoshiさんが賢明に私を呼ぶのでみてみるとナポレオンとバラクーダ。これも始めて目にするものでした。百数段の階段を降りて上がるだけの価値はあります!でも疲れたその後、私には実技試験が待っていました。

講習を受ける中、改めて、というより始めてダイビングの大変さを知りました。単に遊びだと思っていたダイビングの深さをひしひしと感じ、最後4回やり直したレスキューシナリオの後には涙がでそうでした。
 楽しんだ分、辛くて大変だったサイパン。始めての一人旅行。ハードロックカフェで飲んだこと、レスキュー教本を頭に詰め込んだこと、などなど、短い3日間の間に、ぎっしりとつまった経験をしたように思います。
観光色が強く地元の人と本当にふれあう事は難しそうですが、今度行く機会があるなら、長く滞在して、チャモロ料理を食べてみたいです。